第六部『ストーンオーシャン』:G.D.st刑務所職員
フロリダ州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所に勤務する職員たち。
プッチ神父により、スタンド使いが溢れているG.D.st刑務所であるにもかかわらず、看守側のスタンド使いは2名と異常なほど少ない。警備レベル4の刑務所であるのに…。
G.D.st刑務所職員側のスタンド使いは、基本的にはプッチに付き従っており徐倫たちの前に立ちはだかる。
エンリコ・プッチ/ホワイトスネイク
スタンド名 | ホワイトスネイク | ||||
本体 | エンリコ・プッチ | ||||
タイプ | 遠隔操作型 | ||||
破壊力 | A | スピード | D | 射程 | C |
持続力 | A | 精密機動性 | C | 成長性 | E |
G.D.st刑務所で、囚人の懺悔を聞く教誨師を務める神父。39歳。
浅黒い肌に筋肉質の体格をしている。聖職者らしく物腰柔らかな態度だが、目的の為に他人を犠牲にし、その行為に罪悪感を持たないどころか、神に与えられた使命であり正しいと信じて疑わない。
「1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字だから」との理由で素数を愛し、取り乱した際は、素数を数えて落ち着こうとする癖がある。
15歳の神学生時代、手伝っていた教会で偶然出会ったDIOを匿った事を機にDIOと親交を深めていく。その中で、DIOから人類が進化して行きつく果ての「天国」の存在と、そこへ辿り着くためには自分の協力が不可欠である事、そして「天国へ行く方法」が記されたノートの存在を教えられ、それを実現させる事、また世代を超えて彼に敵対するジョースターの血統の抹殺を誓う。
何度もDIOと会う内に親友になり、彼を崇敬する様になるが、彼の息子たちのことは道具としか思っておらず、自分を出し抜こうとしたドナテロ・ヴェルサスを罵倒した。
他者にスタンド能力を与え、道具のように扱う独善的な性格を、自分の双子の弟であるウェザー・リポートから「自分が『悪』だと気づいていない、最もドス黒い悪だ」と評される。
生まれながらのスタンド使いでは無く、後天的に「矢」の力でスタンド能力に目覚める、「天国へ行く方法」の手順を進める事によりスタンド能力が生まれ変わり、その度に本体であるエリンコ・プッチの容貌も変わっていく。
初めて発現したスタンド能力:ホワイト・アルバムは人の記憶とスタンド能力を「DISK」化させて奪い取ることが出来る能力で、DISK化した記憶を読んだり、スタンド能力のDISKを非スタンド使いに差し込む事でスタンド使いに変える事が出来る。一度DISKが差し込まれると、DISKを(その様な手段でも)排出しない限り能力は持続する。
また、空のDISKに命令を書き込み差し込む事で人や物を操ることもでき、「10m吹っ飛んでから破裂する」という物理的に不可能なことでも実行させることが可能。DISK自体はスタンド使いであれば、エリンコ・プッチ以外でも使用可能で、記憶のDISKを読み込めば他者の記憶を知る事が出来るし、スタンドのDISK差し込ませれば、一時的だがDISK能力を使用できる。
元々はDISKを吐き出させるためには、スタンドから一定の範囲にいる者に幻覚を見せ心と肉体を「溶かす」事によってDISKを取り出していたが、物語が進むと直接触るだけでDISKを抽出する事が可能になった。DISKを差し込まれた人間は、DISKが生来の物では無く後天的に差し込まれたせいか、強い衝撃を受けるとDISKが弾き出される。
スタンド自体は塩基配列の描かれた包帯状のラインが入った人型の近距離パワー型のスタンドであり、能力を利用せずとも近接戦闘が可能な程度の破壊力を持つ。
C-MOON
スタンド名 | C-MOON シー・ムーン | ||||
本体 | エンリコ・プッチ | ||||
タイプ | 複合型 | ||||
破壊力 | 0 | スピード | B | 射程 | ? |
持続力 | ? | 精密機動性 | ? | 成長性 | ? |
緑色の赤ん坊と合体し、重力の影響を受けにくいケープ・カナベラルに到達したことで変化/進化したスタンド。
見た目は、ホワイトスネイクと緑色の赤ん坊双方の特徴を受け継ぎ、ヴィジョンのいたるところに矢印の様なものが付いている。また本体であるプッチにも融合した事によりジョースター血統の証である星形の痣が出来た。(ウェザー・リポートにも発生)
C-MOONの能力は重力の掛かる向きを変動させる事が出来、プッチの周囲3㎞にあるものは、人も含めてプッチを上にして落ちる。また、C-MOONが殴ったものは引力を逆転させられて、裏と表が裏返ってしまうが、この能力はメビウスの輪やクラインの壺のように表裏の概念が無い物体に対しては効力を発揮できない。
メイド・イン・ヘブン
スタンド名 | メイド・イン・ヘブン | ||||
本体 | エンリコ・プッチ | ||||
タイプ | 近距離パワー型 | ||||
破壊力 | B | スピード | ∞ | 射程 | C |
持続力 | A | 精密機動性 | C | 成長性 | A |
プッチが重力を最も軽減できる位置に到達した事で完成したエリンコ・プッチのスタンドの最終形。
外見は大きく変わり、前半身だけの馬に人が跨った姿をしており体中には計器が散りばめられている。
体中の計器が表すように、メイド・イン・ヘブンの能力は時を加速させる能力であり、その影響範囲は宇宙に及び、世界中の時を加速させる。加速した世界ではプッチ以外はその加速した世界に順応出来ず、傍目から見るとプッチが高速移動しているように見える。
スタンド自体の破壊力はチャート上”B”と高くは無いが、加速がつく事により実質的な破壊力は他のスタンドを圧倒する。メイド・イン・ヘブンの真価は、時を加速させ続けることで宇宙を一巡させることであり、一巡する事で世界中の全人類や知能のある生物は自分や世界が、今後どの様に動くのかをあらかじめ経験し、あいまいながら記憶は一巡後に受け継がれる事になる。
これにより、何時どこで誰とぶつかるか、つまずくかということまでが運命として固定され、回避する事の出来ない未来として人々は知っている事になり、今後、自分に何が起きるのかを覚悟して生きる事になる。この”覚悟”こそが「幸福であり天国」というのが、プッチの得た結論であった。
時を加速させて次の宇宙へと一巡させる為の能力だが、加速した時の中を動けるプッチは無敵であり、更には一巡した世界でプッチのみ運命を固定されず、他者の運命干渉出来るなど独善的な神の様な能力になっている。
ヴィヴァーノ・ウエストウッド/プラネット・ウェイブス
スタンド名 | プラネット・ウェイブス | ||||
本体 | ヴィヴィアーノ・ウエストウッド | ||||
タイプ | 複合型 | ||||
破壊力 | A | スピード | B | 射程 | A |
持続力 | A | 精密機動性 | E | 成長性 | E |
G.D.st刑務所の特別懲罰隔離房棟看守。28歳。
徐倫を始末するため、プッチ神父からスタンドのディスクを与えられ、グッチョのサバイバーの影響で同僚のソニー・リキールに瀕死の重傷を負わせ、「ファイトクラブ」と称して牢屋から囚人達を解き放つ。
プッチ神父に与えられたスタンド能力は本体を磁石のようにし、隕石を引きよせるプラネット・ウェイブス。隕石自体は本物であり、大気圏に入っても燃え尽きず、相手にダメージを与える程度の隕石を自分を目掛けて引き寄せる。引き寄せた隕石は本体にはぶつかる前に燃え尽きるので、本体にはダメージはない。
全身が筋肉の様なヴィジョンをした人型の近距離パワー型のスタンドであり、スタンド自体の攻撃能力も高い。徐倫にも襲い掛かるが、自らのスタンドの特性を逆に利用されリタイアとなる。敗北後はDIOの骨によって植物化され行方不明に。
ミュッチャー・ミューラー(ミューミュー)/ジェイル・ハウス・ロック
スタンド名 | ジェイル・ハウス・ロック | ||||
本体 | ミュッチャー・ミューラー | ||||
タイプ | 近距離パワー型 | ||||
破壊力 | なし | スピード | C | 射程 | A |
持続力 | A | 精密機動性 | なし | 成長性 | なし |
G.D.st刑務所の面会室および正面ゲート部署担当の主任女性看守。通称「ミューミュー」。25歳。
プッチ神父の部下であり、普段は囚人のふりをしてまぎれている。プッチ神父からの依頼で、スタンド使いの脱獄防止の役目を与えられる。
スタンド:ジェイル・ハウス・ロック(JAIL HOUSE LOCK)は刑務所内の壁、鉄格子に潜み、そこに触れた者の記憶を奪う能力を持ち、能力の対象となった人間は新しいことを3つまでしか覚えられ無くなる。新たな記憶の容量は3つであり、4つ目を学習すると一番古い記憶が消される。
スタンド自体には攻撃能力はほぼ無く、本体による銃撃を主な攻撃手段として利用。また記憶が3つ目以降は更新/上書きされるので、4人以上の兵で襲わせたり、4発以上の弾丸を打ち込む事で必勝法としている。
第六部『ストーンオーシャン』:DIOの関係者
ジョースター家の宿敵DIOの骨から生まれた謎の生物とDIOの遺児達。
DIOの遺児達は、第五部『黄金の風』の主人公・ジョルノ・ジョバァーナとは異母兄弟の関係にあたり、登場した3人とも、ジョースター家の血を受け継いでいるため、ジョースター家の血統者に共通する「星形の痣」を持つ。
ジョルノは自分を助けたギャングの男のおかげで人を信じることを学び、黄金の精神を持つ青年に成長していったのとは対照的に、登場する3名は出生/成長環境が総じて悪く、成長過程において肉親を含む他者から良い影響を受けることが無かったため、総じて歪んだ性格の持ち主となっている。
緑色の赤ん坊/グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム
スタンド名 | グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム | ||||
本体 | 緑色の赤ちゃん | ||||
タイプ | 特殊 | ||||
破壊力 | ? | スピード | ? | 射程 | ? |
持続力 | ? | 精密機動性 | ? | 成長性 | ? |
正式名称不明。スポーツ・マックスの能力を掛けられたDIOの骨(エジプトで回収した右足の遺骨)が特別懲罰隔離房棟の38人の囚人を植物化し、その魂を吸収したことで生まれた謎の存在。
生物・無生物を問わず、本体に近付くもののサイズを本体との距離に比例して自動的に縮小させるスタンド。この能力は本体を中心に360度展開されるため、落下しようが地中から近づこうが効果を発揮する。近づく距離に応じて体が縮むので本体に到達する事は永遠に無い。また、逆に本体から離れるとサイズが拡大されるので、それを利用し赤ん坊は石を投げつけ岩大のサイズに拡大して攻撃をした。
左肩にジョースター血統の証である星形の痣があり、徐倫の「星形の痣」に興味を示し能力を解くも、プッチの襲撃を受けて奪い取られ「14の言葉」ともう1つのDIOの骨に呼応してプッチと融合する。
ウンガロ/ボヘミアン・ラプソディー(自由人の狂想曲)
スタンド名 | ボヘミアン・ラプソディー | ||||
本体 | ウンガロ | ||||
タイプ | 遠隔操作型 | ||||
破壊力 | なし | スピード | なし | 射程 | 世界中 |
持続力 | なし | 精密機動性 | なし | 成長性 | なし |
DIOの息子の一人。今まで生きて来た中でロクな出会いがなく、人生に絶望した麻薬中毒者。母親はDIOの食料となり死亡。
人々に希望を与えると言う理由で、漫画などのキャラクターを嫌っている。プッチ神父との出会いで能力が発現する。
ボヘミアン・ラプソディー(自由人の狂想曲)はビジョンを持たない特殊能力のみのスタンドであり、漫画、童話、絵画などの人物を実体化させるスタンド能力。能力の効果範囲は世界中に及び『ジョジョの奇妙な冒険』ではメイド・イン・ヘブンを除くと最長の射程距離を持つ。
接触したキャラクターなどを知る人物の精神を、漫画や童話の物語の世界に引きずり込み、肉体と分離した精神は、物語のあらすじに沿った運命を辿る。どの作品に入るかは自分の意思で決められず、ウェザー・リポートはゴッホとして自殺を図り、アナスイは「オオカミと七匹の子ヤギ」のオオカミとして殺されかける。
有名な童話や漫画などに限定した能力では無く、能力発動中に誕生したキャラクターにも、その能力は及び、ウェザー・リポートが「実体化したすべてのキャラクターを戻す」ヒーローが実体化した事により能力は無効化される。
リキエル/スカイ・ハイ
スタンド名 | スカイ・ハイ | ||||
本体 | リキエル | ||||
タイプ | 装備型 | ||||
破壊力 | なし | スピード | なし | 射程 | 肉眼で見える範囲 |
持続力 | C | 精密機動性 | なし | 成長性 | なし |
生きる目的を失って暴走族に入り、さらに左の瞼の痙攣に呼吸困難などパニック障害を患っているDIOの息子の一人。母はウンガロの母親同様にDIOに血を吸われ食いカスとなっている。
緑の赤ん坊と一体化したプッチと出会いスタンド能力に目覚め、「精神の成長」こそが人間に最も必要なものであるという信念に辿り着く。信念に基づき、自分の体がボロボロになっても徐倫たちとの戦闘を続け、ウェザー・リポートがプッチ神父の弟だと語る。
スタンド能力:スカイ・ハイはスカイフィッシュ(ロッズ)と呼ばれる生物を操り他者の体温を奪う。体温を奪う事により、低体温症や凍傷になるだけでなく、脳幹の体温を奪って死に至らしめる事も可能であり、操るスカイフィッシュは肉眼での補足が不可能なスピードで動くため殺す/捕らえる事が難しく実質的にはガード不可の攻撃となっている。
スタンドの本体は、手首にアクセサリーのように装着されておりスタンド自体には戦闘能力を持たない。
ドナテロ・ヴェルサス/アンダー・ワールド
スタンド名 | アンダー・ワールド | ||||
本体 | ヴェルサス | ||||
タイプ | 近距離パワー型 | ||||
破壊力 | なし | スピード | C | 射程 | フロリダ州オーランド付近 |
持続力 | C | 精密機動性 | なし | 成長性 | なし |
不運の星の元に産まれたDIOの息子。
母親はジョルノ同様にDIOの食糧にならず健在であったが、遊び人な上に再婚すると育児を放棄。13歳の時に家出したがスパイクシューズの窃盗疑惑(冤罪)を発端に、スタンド能力が中途半端に目覚め自身に不幸が頻発し、精神的な苦しみに悩まされていた。強盗に失敗して脚を撃たれてビルから飛び降り、病院に搬送された際に緑の赤ん坊と一体化したプッチ神父に出会い、スタンド能力を制御できるようになる。
覚醒したスタンド:アンダー・ワールドは「飛行機が墜落する」「車が通った」など、地面が記憶している事象、記録を呼び起こして再現させるスタンド。この能力が中途半端に目覚めていたため、何もない道路で転ぶなどの憂き目に遭っていた。
呼び起こす記憶については、どこで何が起きたのかをドナテロが記憶しており、事件や事故が起きた時間をファイルのように自由に引っ張り出し再現する事で攻撃に転嫁する。呼び起こされた出来事は時間通りに再演され、何があっても覆ることは無く、標的が出来事から逃れようとした場合はアンダー・ワールド自身が自動的に妨害する。自意識を持つ人型のスタンドだが自身の攻撃能力は、ほぼ無い。
不運の元に産まれ人生を送っていた事もあり、元々はプッチに感謝の念と敬意を持っていたが、戦闘に参加しない不信感から、出し抜き「天国に行く方法」を自分のものにして幸福を得ようとして反目する。
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