後味の悪い映画。皆さんも見て感じる事があると思います。
実際私も、”後味が悪い…。”と感じる事も多々あります。でもこの”後味が悪い”と思う現象はどこまで言っても観る人の主観によるところが大きい…。なので、私が思う”後味が悪い”ポイントを紹介しますので、共感できるところがある人は是非【20選】も合わせて確認して下さい。観終わった後の嫌な気持ち無くしてみませんか?
※怖いもの見たさで映画を観たとしても責任は負いかねます!
”後味の悪い”映画とは?
”後味が悪い”からと言って、映画としての評価が悪いという訳では無いです。※ここ重要※
相対的にハッピーエンドな作品より評価は落ちると思いますが。
そして、私が思う”後味が悪い”は「バットエンディング」とはイコールでは無いです。
基本的には、「バットエンディング」でも考えさせられる要素とか、共感する部分があれば”後味が悪い”映画にはカウントしません。そんな私が思う、”後味の悪い”映画のポイントは主に3つ。
※ポイントを説明の3作品は<ネタバレ>を含みます。<ネタバレ>厳禁な方はコチラから【25選】までジャンプして下さい。
”後味の悪い”ポイント①:主人公が報われない。
これが個人的には筆頭の”後味の悪い”ポイント!
映画を観ていると主人公に感情移入していくと思いますが、これをやられると”どれだけ回りがハッピーエンドでも”テンションがダダ下がりします。
特に序盤で、主人公に対して辛い出来事なんか描かれた日には…なんでこうした??と思わずにはいられません…。
その代表作としては『プレステージ』が”これ”にあたります。
主人公は報われない映画:『プレステージ』
あらすじ/解説
19世紀末のロンドン。若き奇術師アンジャーとボーデンは、中堅どころの奇術師ミルトンの元で修行をしていた。しかしある日、アンジャーの妻で助手のジュリアが水中脱出に失敗し死亡。事故の原因はボーデンの結んだロープが外れなかったことだった。これを機にアンジャーは復讐鬼へと変貌し、2人は血を流す争いを繰り返すことになる。その後、結婚し幸せな日々を送るボーデンは、新しいマジック「瞬間移動」を披露するのだが―。
filmarks.com
監督はクリストファー・ノーラン。主演にヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイル。これだけで絶対に面白い布陣です。
更に”あらすじ”を見ても”クリストファー・ノーラン”っぽさが滲み出ててワクワクが止まりません。観るまでは…
見終わったら、こんな顔になるハズ。
物語の展開は、クリストファー・ノーランらしく終盤に全ての真相が一気に解けて気持ちいい作品ではあるのですが…
このヒュー・ジャックマン演じる主人公の「偉大なるダントン/アンジャー」の扱いが非常にひどい。
<ネタバレを>を含むので、ざっくり「悲惨なダントン」を時系列に説明しますが
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①奥さんをライバルであるボーデンに間接的に殺される。
②ボーデンにそれを問いただしても、核心が次回のマジックのネタなので覚えてないと言われ続け復讐心に燃える。
③そんなボーデンが奥さんと子供をGET!
④そしてボーデンが瞬間移動マジックで大成功。
⑤アンジャーも瞬間移動マジックで成功するも、ボーデン乱入で負傷+マジックショー終了
⑥なんやかんやあって、ボーデンを出し抜いたと思ったら出し抜かれてました。
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⑤~⑥の部分は、<ネタバレ>すぎなので端折ってますが、ホントいいとこ無しなんですね…。
結局、ボーデンとアンジャーのライバル関係みたいに描かれていますが、実際はボーデンが色々要らない事をした結果、アンジャーの人生は振り回されて最悪の人生でしたとさ。という感じ。
そのアンジャーの目線で描かれているので、報われなさに最期はテンション、ダダ下がり間違いなしです。
”後味の悪い”ポイント②:何もしない方が良かった…
結果論して「何もしない方が良かった…」になるのですがコレは結構つらい。
結果≒エンディングに至るまでの葛藤とかストーリー展開を一気に帳消しにする感じ。本当に一気に疲れる事、間違いなしです。
その代表作としては『ミスト』。”心を殺す映画”世界最高のバットエンドと名高い作品。
何もしない方が良かった…映画:『ミスト』
あらすじ/解説
1メーン州の小さな町を嵐が襲った翌日、画家デヴィッドは妻を家に残し、幼い息子ビリーとスーパーへ買い出しに出掛けた。だが突然濃霧が町全体を覆い、店内からは外がほとんど見えない状態に陥る。さらに霧の中から人間を襲う不気味な怪物が出現、客や店員たちは外に出ることすらできなくなってしまった。デヴィッドたちが脱出方法を考える一方、熱心なクリスチャンのカーモディ夫人は、事態が神の怒りによるものだと主張し……。
wowow
IMDbレビューで世界最高得点をマークした『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』といったスティーヴン・キング原作を、フランク・ダラボンが映像化。と”これだけ”聞けば感動の名作臭がプンプンするのですが、この映画はその期待を180度裏切ります。本当に、”何もしない方が良かった…”。
最後は観てる方もこんな感じ。
もはや”何もしない方が良かった…”という言葉自体が<ネタバレ>要素を含むのですが、主人公の選択は全て最善に見えて結局、誤った結果だった…みたいな。希望を捨てたらおわりだよ。というか。
教訓的なものはあれど、それが全然入ってこない映画。原作より救いの無いエンディングにするってどうなのよ?
唯一のスカッとポイントは演説は長いオバさんが撃ち殺されるシーン。文字面ではサイコパス感が半端ないですが…アメリカではこのシーンで拍手が起きたそう。詳しくは”観る機会があれば”観て確認してみては?
他の”後味の悪い”映画の輪をかけて観る前には、心の準備が必要。
”後味の悪い”ポイント③:温度差がすごい…。
登場人物の温度差。観る人によっての温度差。アカデミー賞ノミネートとか前評判の高さからの温度差とか、そういった作品は”後味の悪い”が悪い+その”後味の悪さ”が共感されづらく、更に気持ちが辛くなります。
個人的に、その代表作は『ラ・ラ・ランド』。批判を受けそうなので何度も書きますが”個人的”には”後味が悪い”…
温度差がすごい…映画:『ラ・ラ・ランド』
あらすじ/解説
ロサンゼルス(LA)。ジャズミュージシャンとして成功し、自分の店を持つことを夢見るセブは、ある夜仕事先の酒場で出会った、女優として成功することを夢見るミアと一度は別れながら、後に再会して意気投合する。2人は同棲を始めるが、知人の人気アーティスト、キースのバンドの一員になることでセブが成功への階段を登りだす一方、ミアは自作自演の舞台で世に認められようと挑む。だが舞台の初演にセブは遅刻してしまい……。
wowow
第89回アカデミー賞では史上最多14ノミネートに対し、6部門を受賞とハードルを上げに上げ切った『ラ・ラ・ランド』。そもそもミュージカル調なので、その点でも好き嫌いが分かれるのですが…。
それよりも、ラブストーリーとして”あのエンディング”は温度差がすごい…。
映画館で観たら、こんな感じになるかも。
この映画は観る人によっては”ハッピーエンド”。また違う人が見たら”バットエンド”にもなる映画。
同じ意見だと盛り上がるけど、逆な意見とは多分相いれない。
私が思う”後味の悪さ”としては
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①ミュージカル調なのに、エンディングについては急にリアル志向
②エンディングの2人の”現在”は本当に夢が叶った世界なのか?
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という2点につきます。両方とも”ミュージカル と リアル志向”。”男性の現在 と 女性の現在”の温度差が大きくて、しっくりこない”後味が悪い”感じになってます。「アカデミー賞 史上最多14ノミネート」でハードルを上げた感は否めませんが…
”後味が悪い”映画のポイント:まとめ
ここまで読んで下さった方も、飛ばされた方も”後味が悪い”という印象になる映画のポイントを再度おさらい。
3つの内、1つでも「そういう映画は”後味が悪そう”」と共感した人は、映画を選ぶ前に”後味の悪い”映画【20選】をどうぞ!
POINT①:主人公が報われない。どちらかというと、主人公の人生は悲壮感しか無い。
POINT②:結果として「何もしない方が良かった…」というラスト。
POINT③:演出とか、ストーリー展開に温度差が大きい。
”後味が悪い”映画【20選】
これまでに上げたポイントに当てはまる”後味の悪い”映画を、”後味の悪い”一言ポイントと一緒に一気に紹介。
<ネタバレ>なしで一覧化しているので、気になった映画が無いか見てみて!
タイトル | ジャンル | 公開年 | 上映時間 | ”後味悪い”ポイント |
---|---|---|---|---|
プレステージ | ミステリ/ドラマ | 2006 | 130分 | 主人公が報われなさすぎ… |
ミスト | ホラー/スリラー | 2007 | 126分 | 結果論、何もしない方が良かった… |
ラ・ラ・ランド | ミュージカル/ロマンス | 2016 | 128分 | 男女、演出の温度差がすごい… |
ファニー・ゲーム | スリラー/ドラマ | 1997 | 109分 | 救いが無い。胸糞映画と言えば”この作品”。リメイクの”USA”版も同様。 |
ダンサー・イン・ザ・ダーク | ミュージカル/ドラマ | 2000 | 141分 | こちらも救いが無い。欝展開。 |
フローズン | ホラー/スリラー | 2010 | 93分 | 何もしない方が良かったんじゃない?虚しい時間。 |
鑑定士と顔のない依頼人 | ロマンス/ドラマ | 2013 | 131分 | 年老いた主人公の報われなさと言えば… |
ルームメイト | スリラー/ドラマ | 1992 | 108分 | 登場人物と視聴者の温度差が凄い。何でそこまで執着するの? |
スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間 | ホラー/スリラー | 2013 | 85分 | 主人公が自分の意思とは関係なく酷い目に合い続ける… |
ビースト 獣の日 | ホラー/コメディ | 1995 | 106分 | ブラックコメディ。救いは無い。当たり前に主人公も報われません。 |
ホワイト・ドッグ | ドラマ/スリラー | 1982 | 90分 | 社会派サスペンスは良いが”動物”を使うな…主人公可哀想すぎ |
25ミニッツ | アクション | 2005 | 77分 | パッケージに騙されてはいけない。誰も救われない… |
ボーイズ・ドント・クライ | ドラマ/ロマンス | 1999 | 118分 | 実話だからこその、抗えない”後味の悪い”さ。 |
レクイエム・フォー・ドリーム | ドラマ/サイコスリラー | 2000 | 110分 | どんどん悪い方に話が転がり続ける。誰も救われないシリーズ。 |
ドッグヴィル | ドラマ/クライム | 2003 | 179分 | 長い。観ていて気分が落ち込む要素が多い。 |
縞模様のパジャマの少年 | 戦争/ドラマ | 2008 | 94分 | 邦題とパッケージに騙されてはいけない。内容とパッケージ差の温度差がなんとも。 |
ジョニーは戦場へ行った | 戦争/ドラマ | 1971 | 111分 | これも誰も救われないシリーズ。最後までずっとつらい |
ブラック・スワン | スリラー/ドラマ | 2010 | 108分 | 嫉妬、快楽、破綻。ナタリー・ポートマン主演に騙されては×。れっきとした欝映画。 |
ラブレス | ドラマ | 2017 | 127分 | タイトルに偽りなし。12歳の主人公が悲惨すぎる…。 |
パンズ・ラビリンス | ファンタジー/戦争 | 2006 | 119分 | 可愛いパッケージに騙されてはいけない。知らずに見ると精神的にキツイ。 |
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