集団心理による狂気。伝染する狂気を味わえる作品<3選>
狂気の映画㉕:ミッドサマー(2020)
あらすじ
思いがけない事故で家族を亡くした大学生のダニー(フローレンス・ピュー)は、人里離れた土地で90年に1度行われる祝祭に参加するため、恋人や友人ら5人でスウェーデンに行く。太陽が沈まない村では色とりどりの花が咲き誇り、明るく歌い踊る村人たちはとても親切でまるで楽園のように見えた。
引用元:シネマトゥデイ
監督:アリ・アスター 上映時間:147分 出演者:フローレンス・ピュー, ジャック・レイナー
この映画のジャンルは”ホラー”じゃない。本当のジャンルは”カルト”。
現代社会から逸脱した思想に文化。そこにいる人からしたら、こちら側がカルトなのかもしれないが…敢えて外から人を連れてくるんだから、そこにいる人も自分たちの狂気には気付いているんじゃなかろうか??うん。。やっぱり狂気的なカルト集団。
結構、話題になり地上波でもCMが流れていましたが…生理的に無理な人がまあまあ居るような作品なので気軽に観たら気持ちが悪くなる可能性あり。綺麗なビジュアルに騙されてはダメ。良く気を付けましょう。
狂気の映画㉖:THE WAVE ウェイヴ(2009)
あらすじ
自由な雰囲気で生徒に慕われるベンガー(ユルゲン・フォーゲル)は、校長の要請で独裁制の授業を担当することに。あまりやる気のない生徒に、「発言するときは挙手して立つ」など独裁制の実験を取り入れようと提案。しかし、ベンガーの予想を超え、独裁制に魅了された生徒たちは、学校外でも過激な活動をするようになり……。
引用元:シネマトゥデイ
監督:デニス・ガンゼル 上映時間:106分 出演者:ユルゲン・フォーゲル, フレデリック・ラウ
「ナチスの独裁政治を繰り返さないため、実際に独裁政治を行ってみる」。本当に1967年、カリフォルニアの高校のカリキュラムで行われた実験らしいが、それをドイツで映画化するという時点で凄い。
集団意識による罪の分散とか、自己の補完とか。集団でいる事での他集団の排斥とか。
個人個人が狂気じみているのでは無く、集団になった事で産まれた狂気。ドイツ映画という事もあり終始暗い感じと相まって、本編を観てるとその狂気がヒシヒシ伝わってきます。
ラストシーンは衝撃的ですが、他者に依存するとか、自分の証明を他者に任せるとか。そんな行為の怖さを知れる良作です。難点としてはレンタル・サブスクでも取扱いが少なく”そもそも”観れる機会が少ない事…。
狂気の映画㉗:es [エス]2002
あらすじ
元新聞記者のタクシー運転手タレクは、ある心理実験に被験者として参加することに。その内容は、被験者を看守役と囚人役に振り分け、模擬刑務所内でそれぞれの役割を演じながら生活するというもので、タレクは囚人役を割り当てられる。実験は和やかな雰囲気でスタートするが、些細な諍いから看守側と囚人側が対立。さらに実験が進むうち、看守役の人々は支配的・攻撃的な振る舞いをエスカレートさせていく。最初は反抗していた囚人役の人々も次第に抵抗できなくなり、実験は思わぬ方向へと展開していく…。
引用元:映画.com
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル 上映時間:119分 出演者:モーリッツ・ブライブトロイ
置かれた立場と環境。社会的な優位性で人は簡単に歪む。まさに”集団心理による狂気。伝染する狂気”
実際に1971年に米スタンフォード大学で実際に行われた名高い心理実験「スタンフォード監獄実験」を”またも”ドイツで映画化。
こちらも、集団的意識による罪の意識の分散化や立場的優位によって狂気が過熱していく。唯一の救いは主人公の恋物語。これが無いと”映画”として成り立たないと思われるぐらいに、ドロッとした暗い、”ある意味”怖い映画。
自分の置かれている環境で、自分の考え方が変わる。本当に置かれている状況って大切。
この映画を観て、今一度、自身が身を置く環境を確かめてみては??
なお、同様に「スタンフォード監獄実験」をモデルにした映画は『エクスペリメント』『プリズン・エクスペリメント』などがあるので気になる方は、そちらもどうぞ。
狂気の映画:まとめ
幽霊/お化けの様なオカルトが出てこない、人間の狂気こそがゾッとする作品をまとめさせて頂きました!ジャンルで言うと”サイコホラー”とか”サスペンス”の枠にあるハズなので、ここで挙げた作品以外でもジャンルとして気になった方はチェックしてみては?
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