C・S・ルイスが全7部作で児童文学として執筆し、2006年から『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』を始め3部作で映画化された『ナルニア国物語』。同じファンタジー映画の中でも『ロード・オブ・ザ・リング』の様に大人向けでは無く『ハリー・ポッター』ほど長編でも無く、子供も一緒に楽しめるファンタジーらしい柔らかな雰囲気と映像美が詰まった、今なお色褪せないファンタジー映画の傑作では無いでしょうか？
しかし、この『ナルニア国物語』。映画では続編がありそうな終末を迎えますし、原作は7部作ですし、第4章をやるとか、やらないとか…。結果、2022年現在では打ち切り映画と言っても問題ない状態となってしまいましたが、果たして続編を観る事は叶うのでしょうか？
これまでに出揃っている情報を基に、これまでの経緯と今後の展開を説明していきますので『ナルニア国物語』の続きが気になる人はお付き合い下さい。
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まず、映画シリーズ『ナルニア国物語』のストーリーを簡単におさらい
『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』：簡易ストーリー
『第1章:ライオンと魔女』では、疎開した田舎町のクローゼットから物語が始まります。戦争中のイギリスからファンタジーの世界のナルニアでペベンシー家の4人の兄弟が、創造主であるライオンのアスランに導かれ、ナルニアを支配する白い魔女からナルニアを解放し、長い冬を終わらせるため戦いを挑むのですが…。
『ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛』：簡易ストーリー
『ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛』では、1章から1300年後のナルニアにカスピアンの吹いた角笛によりペベンシー兄弟が呼び出される事で物語が始まります。カスピアン王子が国を支配しようとするを叔父であるミラース王を倒すために元々ナルニアに居た住人であるリーピチープや松露とりの助けを得て、ナルニア初代の王であるペベンシー兄妹4人と共に王座奪還のための戦いに挑む。
『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』：簡易ストーリー
『第3章:アスラン王と魔法の島』では、ピーターとスーザンが大人になった為ナルニアへの入国が叶わず、ペベンシー家の次女ルーシーと次男エドマンドが従兄弟のユースチスと共にナルニアへ戻ります。前作で王となったカスピアンと共に、3人は帆船”朝びらき丸”に乗り込み行方不明である7人の貴族を探す旅へと出るだが、そこには不思議な物語が待ち受けており…。
映画シリーズとしての『ナルニア国物語』第四章について…
2011年に『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』が公開された直後、制作会社のウォールデンメディアは興行収入が想定通りの推移を取っているとして、C・S・ルイス財団（原作『ナルニア国ものがたり』の権利所有者）と、「魔術師のおい」の映画化について交渉を始めていました。 ※「魔術師のおい」は原作ではで6作品目（全7章）の作品で映画化された『ナルニア国物語』の前日譚に当たります。
更にはソニー・ピクチャーズ傘下のトライスター・ピクチャーズがジョー・ジョンストン監督で製作するとまで情報が発表され、続編公開が現実味を帯び、話がトントン拍子に進んでいるかと思われていましが、蓋を開けるとこの話は頓挫。当初の予定では2013年/2014年には公開されるハズが、延び延びになり2017年の発表では2019年公開とも言われましたが、結局は白紙に。未完の大作となってしまいました。
何故、この計画は頓挫してしまったのか？？その理由としては映画シリーズがぶち当たる1番の壁”興行収入”です。
映画シリーズ『ナルニア国物語』は儲からなかったのか？？
『ナルニア国物語』3部作については、公開から10年以上経過しているのにも関わらず原作の知名度もあってか未だに根強いファンもいますし、映画自体も見た事がある人が多い作品です。
そんな『ナルニア国物語』シリーズが打ち切りになる程、この作品は儲からなかったのでしょうか？
上記のグラフの通り、『ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛』で収益性が大きく下がり、『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』では製作費を抑え収益性は改善したものの、興行収入だけでいけば右肩下がり…。
シリーズ作品はどうしても、途中参入の新規ユーザーが付きづらくシリーズを重ねる毎に動員数が欠損していくので致し方ない、というかそういう命題を持っているモノなのですが『ナルニア国物語』シリーズは、想定以上にこの欠損率が高かったのかも知れません。実際にシリーズ作品は3部作目以降が出ずらい…。
現に『ナルニア国物語』シリーズは『ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛』までは配給会社が「ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ」でしたが、興行収入の減少を理由にか配給を辞め、『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』からは「20世紀フォックス」に変わっています。ディズニーが配給から降りたのが資金ぶりとしては影響度が大きかった可能性もありますが、興行収入の下落が想定以上であった事は想像に容易いと言えそうです。
余談ですが2019年にナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』を配給した「20世紀フォックス」は第二章までを配給した「ウォルト・ディズニー・スタジオ」の完全子会社となったので、3章まで現在はディズニー作品として「Disney+」で配信されており、こちらで視聴が可能です。
Netflix版『ナルニア国物語』プロジェクトが始動！？
そんな中、2018年にまさかの方向転換が起きます。
それが2018年10月3日に発表されたNetflixが『ナルニア国物語』の7作品すべての完全映像化の権利をC・S・ルイス財団と複数年で契約を結んだというニュースです。
同時にNetflixは『ナルニア国物語』をマーク・ゴードンとヴィンセント・シーヴァーを製作総指揮として起用する事も発表し、リブートにはなりそうですが『ナルニア国物語』の映像化が現実味を再び帯び始めましたが…。
Netflix版『ナルニア国物語』の向かう先は？？
2022年現在、Netflix版『ナルニア国物語』はどうなっているでしょうか？
正解は“音信不通”です…。最後、というか契約後でNetflixからの発表は2021年の3月15日の1回のみ。下にも載せましたがNetflix FranceがTwitterで“進行中”と発表したのが最後であり唯一の情報です。
進行中なので、続報を待つ他ありませんが映画業界も新型コロナの影響で公開や撮影が後ろ倒しされていたのが実情なので、力視されているのは2023年頃のリリースですが、実際には公開が何時になるか全く分かりません。
続報が出れば、こちらも更新していきますが現状では“不明”。
因みにNetflix版でリブートというか再映像化される場合。、従来の映画シリーズである『ナルニア国物語』の様に第一章から開始するのではなく、第4章「魔術師のおい」から開始されるのではないか？というのが有力視されています。？？？となった方は、合わせて以下の全7章の時系列も確認してみて下さい。
最後に…『ナルニア国物語』の打ち切りについて。
結果としては映画版の『ナルニア国物語』では3章で打ち切りになり、ほぼ確実に同じシリーズで第四章を見る事は叶いません。あのファンタジーの世界を映像で見る事が出来るのはNetflix次第…と言ったところです。
とは言え、この世の中には『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の様に1部の時点で打ち切りが決まった悲しい例があるように、第三章まで映像化され今でもなお楽しめるのは名作の証かも知れません。
もうあのペベンシー兄妹を見る事は多分できませんが、ピーター・ペベンシーを演じたウィリアム・モーズリーが2018年にInstagramで公開された現在のペベンシー兄妹を見ながら、Netflix版『ナルニア国物語』に思いを馳せ、また『ナルニア国物語』3部作を見直して見ては如何でしょうか？
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