『アベンジャーズ』を始め、絶大な人気を誇るコンテンツ“マーベル・シネマティック・ユニバース”ことMCU。今後もMARVELの誇るヒーロー/ヴィランが映像の中で活躍を続ける訳ですが、その中でも今後の話の中心となるヒーローがスパイダーマン!
これまでもスパイダーマンは何度か映画化されているものの、MCUとは関係ない“別物”として「スパイダーマンの映画は昔のも見る必要ある?」と聞かれても「繋がってないから大丈夫!」という回答で問題がなかったのですが…。今や昔。
ここにきて『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でマルチバース化が実現!過去の『スパイダーマン/アメイジング スパイダーマン』シリーズからMCUに様々なキャラクターが合流予定となりました。
…という訳で「全部見て!」と言うのは簡単ですが、まだ過去作品を見ていない人に。昔に見て忘れてしまった人に。何処よりも分かりやすく、キャラクター<相関図>も含めてこれまでの『スパイダーマン』シリーズ作品とMCUの繋がりを解説していきます!
そもそも、なぜ「スパイダーマン」の映画って沢山あるの?
今でこそMCUの展開などで大成功を収めているMARVELスタジオですが、まだ自社の映画スタジオを持っていない2000年代初頭に、不況の煽りを受けくつかのキャラクターの映像化の権利を他社に売却しました。
その内の1つが“スパイダーマン”。スパイダーマンの映画権(当初はグッズの版権も)はその時にソニーに売却されました。この映画権は1作目の制作から数年以内なら継続して利用できるというもの。
※他のMARVEL作品としては20世紀フォックスに「ファンタスティック・フォー」と「X-メン」の権利が売却されました。
そのため、映画権を取得したソニーは『スパイダーマン』の映画に着手しシリーズ化を進めました。結果として第一弾の『スパイダーマン』シリーズは大ヒット。興行収入も想定を超え非常によく本来は「3」で完結するはずでしたが「6」まで作成する事に。
と、ここまで順風満帆なソニー『スパイダーマン』でしたが、監督のサム・ライミと主演のトビー・マグワイアが会社の意向と意見が食い違ったため降板。「4」以降の作成が白紙化してしまいます…。
先ほど説明した通り、MARVELから購入した映画権は”1作目の制作から数年以内なら継続して利用できる”という権利の為、継続性が無いと維持できません。そこでドル箱映画シリーズを手放したくはないソニーが取った手段が”リブート”です。
それにより作成されたのが『アメイジング スパイダーマン』シリーズ。こちらも当初は想定通りの興行収入を収め継続的に発表されると思われていましたが、まさかの「2」が想定を下回る結果になり再度の「スパイダーマン」シリーズの頓挫を迎えるのです。
※『アメイジング スパイダーマン2』は想定を下回る結果とは言え、制作費2億3000万ドルに対し興行収入は7億5221万ドルと大成功の部類。見切りが早かっただけで、普通に「3」も続けられていたと思われ。
そんなソニーMARVELが発表と頓挫を繰り返す間に、MARVELはディズニーが後ろ盾となりMCUを発表。ソニーMARVELとは違い大成功を収めていきます。そうなるとMARVEL側が欲しいのは売却した非常に人気の高いキャラクターである”スパイダーマン”の映画権…。
しかし、頓挫したとはいえドル箱キャラクターのスパイダーマンをソニーが手放す訳は無く、買い戻すのも非常に困難を極める為、新たな契約を交わすことになりました。
それが、「事業提携」「レンタル」。これによりソニーが持つ”スパイダーマン”をMARVELスタジオに貸し出すことで、MCU作品として登場する事になるのです。
という訳で結構ややこしい会社間の権利関係があり、スパイダーマンの映画は短い間に複数のシリーズが作成される事になりました。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でマルチバース化した理由
ではなぜマルチバース化するのか?ソニー自体も自身が権利を持つスパイダーマン関連キャラクターの映画化「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」(略称SSU)を進めていますし、その中の作品である『ヴェノム』は興行的にも大成功を収めました。
※「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター」(SPUMC)からSSUに改名
そうなると、MCUとソニーが産み出した、これまでのスパイダーマンシリーズやSSUをどうしても合流させたい。そこで導きだされた答えが”マルチバース化”です。次元さえ統合されれば従来のキャラクターもこれから発表される作品も合流し放題。
そして、その第一作目に決定したのが、MCU作品であれる『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の続編に当たる『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』です!
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の解禁された予告では、前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に登場したヴィラン:ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)が撮影していた映像をデイリー・ビューグルが世界に公開した事で、スパイダーマンの正体がピーターである事が世界に公開されてしまいます。
更にはミステリオ殺害の疑いまで持たれ、生活が一変した事を嘆くピーターが、ドクター・ストレンジに自身の正体を世界中の人の記憶から消してもらうように依頼。それに答えたドクター・ストレンジが呪文を唱えると…まさかの記憶抹消では無く、マルチバース(多元宇宙/平行世界)が統合されてしまいマルチバース化します。
予告編での情報だけなので、これがピーターがストレンジの集中力を乱したせいで発生したトラブルなのか、はたまたストレンジがピーターに与えた試練なのかは分かりませんが、少なくとも『スパイダーマン』シリーズから、ドクターオクトパスが。『アメイジング』シリーズからはエレクトロの登場が決定しています。
この作品から、MCUの世界は更に複雑にキャラクターが登場するハズ。これによってMARVEL作品は新しい時代に突入します。
過去作とのキャラクター相関ってどうなってるの??<相関図>
という事で、マルチバース化したMCU『スパイダーマン』シリーズ。
基本となる時間軸/次元はMCU版ですが、これまでのサム・ライミ版『スパイダーマン』や『アメイジング スパイダーマン』シリーズも合流します。
そうなると厄介なのが、基本軸と別次元にいる同一のキャラクター。当たり前ですが主人公のピーター・パーカーも3人いますし、作品によってはキャラクターの立ち位置や名前も違います。何だったらサム・ライミ版『スパイダーマン』の世界線では生存しているのに、『アメイジング スパイダーマン』の世界線では死亡しているキャラクターなんかもいます。
その別次元のキャラクターを含めた登場人物の関係をまとめたのが、上記の相関図!
『ヴェノム』を含むSPUMC作品を含んだ相関図を作成していますが、どのキャラクターが同流するかは不明ですが参考までにご利用下さい!!
※相関図内の関係は極力<ネタバレ>を含む内容を排除していますが、その点ご了承ください。
※相関図はクリックで拡大しますので、是非ご確認ください。
では、続いては基本となる世界線であるMCU版『スパイダーマン』とサム・ライミ版『スパイダーマン』・『アメイジング スパイダーマン』の時系列と次元を整理していきます!
『スパイダーマン』3シリーズの時系列と次元
予告編で公開された中で、MCU版『スパイダーマン』シリーズ外から登場する事が確定しているのがサム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズで『スパイダーマン2』に登場したドクター・オクトパス。
その登場シーンがコチラ…。
ドクター・オクトパスを演じるのは『スパイダーマン2』と同じく、アルフレッド・モリーナ。
当たり前ですが、18年の歳月が『スパイダーマン2』が公開された2004年から流れているので、昔のママとはいきません。他に『アメイジング スパイダーマン』から再登場が決まっているエレクトロも演じるのは当時と同じくジェイミー・フォックス。
この事から、軸になるMCUの世界に合流する2つの『スパイダーマン』シリーズは、シリーズ終了から合流までに実世界と同じか、同程度の時間が経っている設定になっていると思われます。
そうなると、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズからは15年。『アメイジング スパイダーマン』シリーズからは8年の時が経っている事に。
どのシリーズにおいても、スパイダーマンは学生ですが仮に合流するとなると、2つの世界のピーター・パーカーは40歳代のおじさんと、30歳代…。実際に演じたトビー・マグワイアが46歳、アンドリュー・ガーフィールドが38歳(2021.08時点)となっています。
ここで気になるのが、上記のストレンジが言う「君は二つの人生を同時に歩み始めている」というセリフと、最初に上げたドクター・オクトパスのセリフ「やぁ。ピーター」。明らかに年齢も容姿も違うをドクターオクトパスは、トビー・マグワイア版のピーター・パーカーと認識している様です。と書いていましたが…スーツを着ているのを見てそう認識しただけで違うスパイダーマンだとその後認識しましたね…。(追記)
アンドリュー・ガーフィールドは実際にポッドキャスト『Happy Sad Confused』に2021年に出演した際に『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の出演を否定していましたが結局、3人のスパイダーマンが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』においては合流しました。
『スパイダーマン』3シリーズの“違い”
次ページからは、最新作をもっと楽しめいる様に、これまでの『スパイダーマン』3シリーズの“違い”を紹介!
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