1996年公開の映画『マーズ・アタック!』の作品紹介と簡単なあらすじ。感想とネタバレを含んだ考察を公開しています。
作品紹介
ティム・バートン監督のSF(ブラック)コメディ。
主演は1人二役を演じるジャック・ニコルソン。
1962年にアメリカのトップス社から発売されたトレーディングカード「マーズ・アタック」が原案をとした映画作品。
あらすじ
謎のUFOが地球やってきて。テレビジャックにより地球にコンタクトを取ってきた!
「ミドリ人」と名乗る異星人は、むき出しの脳みそに、大きな目、フォルムは骸骨という見るからに、友好関係を築けなさそうな生物だった…。
異星人の襲来に、アメリカ政府も「友好派」と「対立派」で分断されるのだが、そんな中”翻訳機”が開発され彼らの発する言葉の意味が”我々は友好のために来た”という事が分かると、見栄っ張りなアメリカ大統領デイル(ジャック・ニコルソン)は、火星人を大々的なセレモニーで歓迎する事を決定する。
人類初の異星人とのコンタクト/セレモニーは平和的に行われた様に見えたが、平和のシンボルの鳩が飛んできたことにより一変。
火星人は光線銃で鳩を内向くと、そこから方々に光線銃ををぶっぱなし、会場のほぼ全員を殺してしますのだった…。
翻訳機の言葉とは裏腹に、残忍に子供じみた虐殺を繰り返す火星人たち。
どんどん進行を行う火星人に対し、地球人は一体どうなってしまうのか…??
感想
はじめて見たのは、小学生の頃。
多分ほぼリアルタイムで視聴。視聴理由がLEONでみた「ナタリー・ポートマン」が出ているからという理由だったのですが…。
翻訳機を流し続けて、友好を語りながらただただ殺される人々…などなど、子供ながらに視聴後の気持ち悪さから、不快になった事を覚えています。本当にトラウマ物でした。
そのせいで、ティム・バートン監督作品は大人になるまで一回も見たいと思いませんでしたね。それくらい印象強い作品。
大人になって視聴しても、子供の頃の気持ち悪さは同じく意味が分かってさらに気持ち悪くなる要素が増え…。やっぱりキツイなと感じましたね。
ブラックユーモアというか、なんなんだろうかこの作品は。
観る人によって、賛否両論とよく言われる(アメリカでC級映画と言われているとか)が個人的な感想は年月が経っても”否”の方でしたね。
とはいえ、賛否両論なので”賛”の方。コアなファンもいらっしゃるわけで…。
怖いもの見たさとか、一回は見てみようとか。そんな意欲がある方は見てみたらいいんじゃないでしょうか?
出演俳優陣はすごい豪華ですし。(個人的にはたった1つおススメポイント)
個人的には、そうは言っても”否”ですし。100%人には進めない作品です。
※中学生以下には見せたらダメ。トラウマもんです。
レビュー的なSomething(ネタバレ)
①生理的に不快にさせる描写
少し話違いになりますが、漫画「食糧人間』(原案:水谷健吾、原作:蔵石ユウ、作画:イナベカズ)も人の潜在的に持ってる「生理的に不快にさせる描写」が秀逸なんですが、これが分かる人/不快に感じる人は見ない方が良いです。
ストーリー上で、セレモニー後は基本的に火星人たちの虐殺+悪ノリ、悪ふざけを見せられる事になるのですが、この”悪ノリ、悪ふざけ”がとにかく嫌悪感を駆り立てます。
個人的には、ナタリー・レイク(サラ・ジェシカ・パーカー)の首と犬の首の交換。
これは人生の中、不快なシーンランキングでTOP10に確実に入る。
多分、悲観的なノリではなくポップに描かれている事。
中途半端な時代的なCGによる取ってつけた感が悪趣味感を増幅させていると思う。
本当に、出演者だけは豪華だな。
もう一人首だけになる、ドナルド・ケスラー教授(ピアース・ブロスナン)とのシーンも同様な理由で気持ち悪いが、首だけの方がよっぽどマシという狂気。
何度も言うが、本当に出演者だけは豪華だな。
②何が言いたかったのか?
結論、ここが明確であればまだ良いのだが”ここも不明瞭”。
不明瞭だから、幼少期に見るとトラウマしか植え付けない恐ろしい映画なんです。
結局、作中に出てくる痴呆症のおばあちゃん(シルヴィア・シドニー)が聞いていた「インディアン・ラブ・コール」で火星人たちは倒されて世界は無事でした。という終わりなんですが、生存者が痴呆症のおばあちゃんと、孫のリッチー(ルーカス・ハース)。大統領の娘のタフィ(ナタリー・ポートマン)など社会的に弱い人が生き延びているところにメッセージ性があるのか?
※ナタリー・ポートマン目当てで見たハズなのにトラウマを植え付けられ、私の子供頃の記憶にはナタリー・ポートマンの存在は出ていたはずなのに消されてました…。
※ナタリー・ポートマン演じる大統領の娘のタフィが最後、リッチーに「彼女はいるの?」と声を掛けるんですが、よくこのタイミングで言えるなと。この作品狂ってる人物しかいないのか??
それとも、意思の疎通の大変さ。思い違いや文化の違い。そういった事が引き起こすことの悲劇をブラックユーモアで表現したかったのか?
個人的には分かりかねますし、もう一回見る気も起きないのでどっちでもいい。
③火星人 兼 ミドリ人
この火星人「ミドリ人」を名乗っていましたが、この火星人の光線銃で撃たれるとミドリ色の骨になります。何で?
火星人が「インディアン・ラブ・コール」を聞くと、宇宙服(?)の中で破裂するんですがミドリ色のスムージー状になります。何で?
特出する内容じゃないですが、”ミドリ”に対しての固執がすごい。
だからと言って、何か言いたいわけじゃない。
多分メッセージ性も無い。
④Tom Jones – It’s not unusual
エンディングではトム・ジョーンズの「イッツ・ノット・アンユージュアル」が流れます。
そんな陽気な展開だったかと。
もう見てる側の感情も何もかもを置いてきぼりで幕を下ろしていくんですね。
ストーリー展開と音楽がアンマッチすぎて印象には残ります。
ただ、これのせいで最後まで個人的には不快でした…。
音楽、楽曲には罪はないんですが良く流れる音楽だけに、思い出しちゃうんですよ!!!
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